■

よくあることですが、母豚は時々、豚舎から脱走します。

早朝に出勤して、

「さあ、今日も一日がんばるぞー♪」

と豚舎に向かうと

こんな感じで、豚舎のそとで呑気に草を食んでいる風景に出会います。

一見のどかですが、ここから豚を豚舎に入れる大変さを考え、ため息をつきます。

そして、同僚たちに声がけをして、数名体制で豚舎のなかに入れるのです。

　最近、私も豚の性格がわかりはじめ、要領よく豚を豚舎に引き寄せる技を

身につけました。それは、

「エサをつかう」

です。

朝は豚も餌が与えられる前であるため、腹が減っています。

遠くの方で、エサをちらつかせるだけで、こちらによってきます。

そうして豚舎のなかへそのまま誘導します。

　養豚の仕事をしていると、豚に頭にくることが多いです。（餌箱を壊したり、豚舎を破壊したりします。豚はものすごく力が強いんです。）

そのときに、豚に怒って八つ当たりをすることもありましたが、最近は考え直して

落ち着いて対応するようにしています。

養豚日記　二年目社員の奮闘記