尻尾切りと歯切りについて
分娩豚舎を担当すると、ハードな仕事が待っています。
タイトルにもありますように
尻尾(しっぽ)切りと歯切り
です。
・しっぽが出ていると、子豚同士がジャレあってしっぽをかんでしまう。
・しっぽを噛まれると、そこからバイキンが入って豚が病気になってしまう。
以上の理由から、実施しています。
動物愛護という観点から既に廃止している農場もありますが、
多くの農場は実施しています。
分娩豚舎担当は、多くの仕事があります。そのうち、この尻尾切りと歯切りは
時間がかかるものの一つです。
内容は以下です。
(聞き手が右の場合)
・子豚を捕まえる
・左手で子豚を持って、中指と親指で子豚の口を開ける。
・子豚の犬歯をペンチで切る。
・そのまま、尻尾をニッパー(火が出て焼けるもの)で切断する。
以上、単純作業です。これを10頭~20頭前後の子豚を1豚房ずつ実施していきます。
父ちゃん母ちゃんの農場(規模が小さいということ)では、腹数(子豚が生まれている母豚の数)も少ないので、労力も少ないです。
みなさんが就職するような大農場では、一日に少なとも20腹、規模が大きいところは100腹のときもあります。1腹につき、平均15頭子豚がいるとなると、考えるだけで気が狂います。(笑 まあ、落ち着いてやりませふ。)
大農場では働く人も多いですが、それでもみんなでひたすら歯切り、尻尾切りをしていきます。和気藹々と話ながらやってもいいと思いますが、だんだん話すこともなくなって、自然に黙々と作業することになります。(時々、子豚が歯で私たちの指を噛むため、話ながら作業することをやめ、真剣になります。)
地道な作業です。けれども、一匹でも気を抜くことは許されません。
多くの農場で女性が分娩担当であることはなんとなくわかる気がします。
今日も農場は平和です。野犬がこぼれたエサを食べに来ています。
養豚日記 入社二年目の奮闘記